2010年11月17日水曜日

尾瀬の自然を守る活動

木道が連なる尾瀬ならではの光景。
何故尾瀬には、他では類を見ないこうした木道があるのだろう?
そう思い調べてみた。

尾瀬国立公園全体で総延長約65kmにも及ぶ木道。
尾瀬ブームとなった昭和30年頃には、今のような木道はなく、大勢のハイカーが訪れたのだという。

尾瀬には、固有の珍しい植物が数多く生息しており、
自然の雄大さに見惚れ「天上の楽園」とまで名指すほどの美しい湿原地帯で知られる「アヤメ平」は、湿原植物が豊かに実り、まるで天に伸びているかのよう。

それが、昭和30年代の尾瀬ブーム以降、湿原植物は踏み荒らされ、*泥炭層 がむき出しになり、美しい湿原地帯は瞬く間に約1haの湿原が裸地化してしまったのだそうです。
*泥炭層=動植物の枯死体が腐ることなく堆積したもの。尾瀬では1年に1mmしか堆積しないと言われている。)

こうして荒廃してしまった「アヤメ平」を元の緑平原へ戻す取り組みが始まったのは、
昭和39年頃。
木道を設置して歩くルートを制限し、荒廃地の拡大を防いでいます。
昭和44年から、積極的な湿原回復作業にのりだし、
荒廃した材料には、折れにくく水に強い国産のカラマツ材を使用しているそうですが、、
湿原の中では10年前後で架け替えが必要となるため、毎年計画的に整備しているのだという。
今では、かなりの部分で植物が育っているという。だけれど、元の状態に戻せるまでには、相当な月日を要するのだと推測できる。

湿原を荒らされるのは一瞬でも、元の自然に戻すためにはかなりの時間と努力、資源が必要なとなるのは言うまでもない。
登山を通して、こうした現状とも向き合い、自然の豊かさに敬意とともに良心をもって大切にしていきたい。

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